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案山子のダンス

戯れに、小説など。照れますな。

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聖神社(その五百十二)

それをば過ぎて、餓鬼道に著き給ふ。立寄り源御覧ずれば、有財餓鬼(うざいがき)、無財餓鬼(むざいがき)、ちくれん餓鬼と申して、数限りはなかりけり。
石を重ぬる所もあり、花を摘みし者もあり。その中に餓鬼一人、踊り跳ねて笑ひ喜ぶ。
源不思議に思召し、「汝が身にも可笑しき事があるよな」と宣へば、彼(か)の餓鬼答へて、「さん候。我等が身に嬉しき事の候。某(それがし)が七世(しちせ)の孫一人、今娑婆に在りけるが、出家になり候が、やがて浮かまん嬉しさに、是のみ笑ひ候」と申しける。
源聞召し、実(け)にや仏の説き給ひし、一人出家すれば、九族天上(てんじやう)すると説かせ給ふ。
今こそ思ひ知られたれ。
親類中(なか)に出家一人あれば、その塁家(るいか)の内の牛馬(うしうま)まで、成仏申すと聞く。
これ妄語ならば、成仏も妄語なるべしと、今こそ思ひ当れり。我武士(もののふ)の志なりしかど、斯様の事を思へば、兎やせん角やあらんと、思ひ弁(わきま)ふ方ぞなき。
保元(ほうげん)、平治の乱に、一門皆討たれぬれば、菩提を弔(とぶら)ふ為ならば、出家もめでたかるべし。
又親の敵(かたき)を討ち、本意(ほんい)を遂げん為ならば、弓矢を執りて孝養(けうやう)に報ぜんと思へば、忍びの涙堰き敢へず。
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  1. 2014/11/09(日) 02:09:25|
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